ネコザメ(英名:Japanese Bullhead Shark)はネコザメ目ネコザメ科のサメの仲間です。全長は約1.2mまで成長します。
ネコザメは、とてもおとなしい性格で、あまり泳がすにじっとしていることも多い夜行性のサメです。おもに北西太平洋に生息し、日本沿岸の水深150mより浅い海底の岩場や藻場(もば)を好んで暮らしています。
こちらの記事では、ネコザメの生態・特徴について、おさかな好きイラストレーターいせき あいが、イラストを交えて紹介していきます!
ネコザメの身体の特徴
ネコザメの大きな鼻孔
ネコザメの口元をよく見てみると、ぐるぐるの渦巻のような形が見られます。これは鼻孔です。
私が好きなのは…ネコザメの口部分!むにゅむにゅっとした柔らかそうな口元がなんとも言えずキュート。
ネコザメには棘がある!
ネコザメの背びれは2つあり、ひれの前方には一本ずつ大きな棘があります。この棘は外敵、特に他の大きなサメから身を守る役割を持っています。
ネコザメの名前の由来
目の上の隆起が猫の耳に似ていること、目や頭の形が猫に似ていることから和名の「ネコザメ」の名前が付いたと言われています。
英名は「Bullhead Shark(ブルヘッド・シャーク)」で、目の上の隆起を「雄牛の角」に例えた名前が付いています。
ネコザメの別名は「サザエワリ」
ネコザメは、海底に生息するエビ・カニなどの甲殻類やサザエ・ウニなどを捕まえて食べています。
ネコザメの歯
サメといえば、ギザギザの鋭利な歯を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ネコザメの歯はサメのイメージをガラリと変える、とてもユニークな形をしています。
ネコザメの歯は「押しつぶす歯」
歯の前側と奥側で形状が異なります。
歯の前側はトゲトゲ。獲物をひっかけて捕まえるのに使います。
歯の奥側は臼石のように平べったい歯が並んでいます。捕まえた獲物を押しつぶしたり、砕いたりして食べます。
あんな柔らかそうな口なのに、噛む力はすごいなんて…。
こちらは、ネコザメがサザエ食べてるシーン!
一生懸命もぐもぐしてる!がんばれ~~!
ネコザメの卵
ネコザメは、メスの子宮内で受精した後に卵を産む「卵生」のサメです。
ネコザメの産卵期は3月~4月がピークで、9月頃まで産卵が行われます。
メスのネコザメは一度に2個ずつ卵を産みます。その後2週間おきに産卵を繰り返し、合計で最大16個程度の卵を産むと言われています。
ネコザメの卵の特徴
ドリルの形をした卵?
ネコザメの卵殻は、らせん状の形をしていて、まるでドリルやネジのようにも見えます。長さは約10~15cm。
卵殻には小さい穴があり、子ザメはそこから海水の酸素を取り入れたり、不要物を排出して成長していきます。
卵殻は時間が経つと硬くなる
メスのネコザメは産卵後、卵をくわえて運び、岩の隙間や海藻の間にねじ込みます。
卵殻は産まれた直後はやわらかく、海水に触れ時間が経つと硬くなっていきます。そのため、岩の隙間などに卵がピッタリと固定されます。小ザメはこの卵の中で約10ヶ月程度の時間をかけて成長し、孵化します。
この卵のおかげで、波で流されることなく安全な場所で成長することができるんだね。それにしても不思議な形。
ネコザメが登場する歌・アニメ・絵本
シャッ・シャッ・シャーク!
シャッ・シャッ・シャーク!~サメのうた~
作詞・作曲・歌唱:渡部 絢也
アニメーション:いせき あい
制作:ウタトエスタジオ
見て聞いてサメの魅力を感じ取れる「うたアニメ」をつくりました。見てみてね!
ネコザメがちょこっと登場する絵本
絵本「とびだせ!ちんあなご!ゆうえんちはおおさわぎ」
海の中の遊園地が舞台のお話。遊園地に遊びに来ているお魚のなかには、ネコザメも!?
この他のページにも、遊園地で遊んでいるネコザメが、ちょこちょこいるので、探しながら楽しんでみてくださいね!
と、私の作ったアニメや絵本の紹介でした。
こうした作品を作る中で参考にした書籍やオススメの本をご紹介しますね!
サメのことを学べる参考書
サメ入門にはこちら
さめ先生こと仲谷一宏先生による、サメの身体について詳しく解説された一冊。難しい漢字にはルビもふってあるので子どもたちにも読みやすくおすすめです。全127ページとコンパクトながら充実した内容なので、サメについての初めの一冊にぴったり。
ディープなサメの世界を味わいたい
サメの生態について詳しく解説された一冊。美しい写真や図説の数々とともに身体の仕組みや海の中でどのように生活しているかなど詳しく書かれています。サメを深~く知りたいあなたにオススメ!
シャークジャーナリスト沼口麻子さんによる、サメの体温が伝わってくるようなリアリティあふれる解説書&体験談。すぐ近くの海にこんな不思議な世界が広がっているのかと新鮮な驚きをもらえます。日本での「食材としてのサメ」についての記述もあり、サメが身近に感じられる一冊です。
いかがでしたか?水族館にも展示されていることの多いネコザメ。機会があれば生きた姿もじっくり見てみてね。